上腕骨外顆骨折

上腕骨外顆骨折とは

上腕骨外顆骨折(じょうわんこつがいかこっせつ)は、上腕骨の外顆という部分(肘の外側)が骨折する状態を指します。
この部位は、肘関節を構成する重要な部分で、前腕の筋肉や靭帯が付着しているため、骨折が発生すると肘の動きに影響を及ぼします。
この骨折は特に小児に多く見られ、転倒やスポーツ中の怪我が主な原因となります。
治療が適切でない場合、肘の変形や運動制限が残る可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。
上腕骨外顆骨折の原因
上腕骨外顆骨折は、転倒や転落などで手をついた場合、肘を突き上げる力が強くかかり骨折にいたります。

スポーツでは野球やサッカー、バスケットボールなどで起こることが多いです。
また交通事故など、肘を直接ぶつけたりしても骨折することがあります。
小児では、骨の柔軟性が大人に比べて高い一方で、骨端部(成長軟骨)の構造が未熟なため、外力が集中すると外顆部分が損傷しやすいという特徴があります。
上腕骨外顆骨折の症状
上腕骨外顆骨折の主な症状は以下の通りです。

1.痛みと腫れ:骨折部位やその周辺に強い痛みと腫れが生じます。
2.肘の動きの制限:骨折により肘関節を曲げたり伸ばしたりする動作が困難になります。
3.内出血(あざ):皮下出血によるあざが現れることがあります。
4.異常な関節の形状:骨折が重度の場合、肘の形が通常とは異なり、不自然な形状になることがあります。
5.しびれや感覚異常:近くを通る神経が損傷した場合、腕や手にしびれや感覚異常を感じることがあります。
これらの症状を感じた場合は、早急に医療機関を受診することが必要です。
上腕骨外顆骨折の治療法とリハビリ
① 治療法
上腕骨外顆骨折の治療法は、骨折の程度や患者の年齢によって異なります。
1.保存療法
軽度の骨折の場合、ギプスなどを用いて患部を固定し、自然治癒を促します。固定期間は通常3〜6週間で、この間に骨が正しい位置で癒合するのを待ちます。また癒合を促進するためマイクロ波や超音波を用います。
2.手術療法
骨折が複雑な場合やずれが大きい場合には、手術が必要です。金属製のピンやプレートを使用して骨を正しい位置に戻し、固定します。
② リハビリ
治療後のリハビリテーションは、機能回復において非常に重要です。
1.関節の可動域訓練
ギプスや固定具が外れた後、徐々に肘の曲げ伸ばしや回旋動作を行い、関節の柔軟性を取り戻します。
2.筋力強化
肘周辺や前腕の筋肉を強化するためのトレーニングを行います。特に、腕を動かすために重要な筋肉群の回復を重視します。
3.日常生活への復帰訓練
患部の状態に合わせて、軽い日常動作から始め、最終的には元の生活やスポーツ活動に戻ることを目指します。
当院での上腕骨外顆骨折のサポート
上腕骨外顆骨折は、特に小児やスポーツを行う人々に発生しやすい骨折です。早期の診断と適切な治療が行われれば、良好な回復が期待できます。
しかし、治療を怠ると後遺症が残るリスクがあるため、専門家の指導を受けながら治療とリハビリを進めることが大切です。
お困りの際はぜひご相談ください。